新しいインターネットの活用領域 Web3

Web3とは?

今、インターネットの活用は、新たな領域である、Web3に入ったと言われています。

Web3は、2022年6月に閣議決定をされた「骨太の方針」や「新しい資本主義」の中でも触れられています。GAFAを頂点とする一部の企業が、個人情報や、それを基礎とするビックデーターを一方的に利活用する段階から、個人を含む広範囲な主体が、それを利活用する領域に至った、ということを主に示して、Web3という言葉は使われています。

Web2.0までの歴史

ウエブという言葉は、もともと、WWW、すなわち、World Wide Webからきた言葉です。
「世界に広がる蜘蛛の巣」、インターネットの世界をあらわす言葉として、冷戦後に登場しました。

冷戦終結を受け、それまで軍事利用をしてきた、WWWを、スイスにある欧州合同原子核研究所(CERN)が、1993年に無償公開に踏みきり、これで世界にインターネットが民間
活用される契機になりました。

マイクロソフト社が、1995年に、OSにブラウザーを標準装備したWindows95を発売し、インターネットが、世界中にあるパーソナルコンピューターに繋がり、ここに、WWWは、爆発的な成長を始めたのです。この段階のことを、後に、Web1.0と呼ぶようになります。

1998年に、アメリカのガレッジカンパニーとして誕生したgoogleが、検索エンジンを公開。続いて、米国でTwitterが誕生し、ネット空間は、BtoBから、BtoCへ、更に、PtoPへと、飛躍的な成長を続けます。これを、米国では、Web2.0と呼びました。インターネットの活用領域は、大きな展開をみせ、ロングテール理論などに裏付けられて、物販の世界に、リアルに変わるネット販売が発展をしました。

この段階で、WWWの覇権を握ったのが、GAFAでした。プラットフォーマーと呼ばれる巨大企業が、検索エンジンや、OS、SNSのプラットフォームの中央を握り、世界中の情報と個人情報が、ビックデーターとして、プラットフォーマーに掌握されました。

Web3は、経済にどのような影響を及ぼすか?

ビックデーターを独占し、世界各国で納税を逃れて、その国での巨大な利益だけをあげるGAFAなどのプラットフォーマーに対する反発が世界で起きました。

その中で進んだのは、ビットコインに採用されたブロックチェーン技術です。ブロックチェーンは仮想通貨技術を超え、中央集権的なプラットフォーマーから、情報を分散型台帳への移行を促進しました。

ブロックチェーンでは、データーは、特定のサーバーに保存されるのではなく、無数の端末に保存管理され、暗号技術によって履歴がチェーンのように繋がります。そのため、データーの改ざんが、ほぼ不可能になります。

こうして、今、個人情報や、それを基礎とするビックデーターを、個人を含む広範囲な主体が、それを利活用する領域に至る、Web3に、世界は進んだのです。

Web3から導かれる分散型自立組織

Web3は、単なるサーバーの問題だけではありません。組織の在り方、働き方に関する考え方にも大きな影響を及ぼします。

これまでの組織は、中間管理職が、経営とワーカーのかすがいになり、ワーカーへの経営情報が管理職によって統制されることが前提となっていました。いいかえれば、中間管理職は、ワーカーに対する情報経営情報の統制ができることによって、組織内の権力を維持できたともいえます。

しかし、いま、仕事の中の情報にも、Web3現象は進んでいます。ビジネスプラットフォームの発展や、テレワークの発展で、情報は分散型になり、それぞれのワーカーが、経営層の発信する情報を直接受け取れるように変化しています。

これは、組織が分散型自律組織(DAO)に向かいつつあることを意味しています。

そうなると、クライアントサーバーシステムにおけるサーバーが、Web3では消失してしまうように、経営層とワーカーのかすがいの機能だけを担っていた中間管理職が不要になる時代に入口にたったとも言えます。

階層で成立していた組織が不要になり、経営戦略と経営の意思決定を担うトップマネジメントが、直接、ワーカーに情報を発信し、ワーカーが分散型で情報を利活用し、組織が効率的に動く時代が到来しつつあります。

このような組織は、経営層は、分散型自律組織に適した人材を活用することにより、中間管理職の膨大な人件費を削減して経営をすることが可能となります。

一方、中間管理職は、情報のかすがいとして経営情報をワーカーに伝達する権力者であるボスの役割から、ワーカーのコーチの役割に変貌することを求められます。

経営情報を統制することで能力に関係なく、組織権力を維持できた中間管理職は不要となり、実務的な能力や人間性を備えた、優れたコーチが、これにとってかわるようになります。この変化を、Web3は齎すと言われています。

働き方に至るまで、大きな変化をもたらす動きが、Web3なのです。

以上、参考になれば幸いです。

続く

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