SNSへの写真投稿が日常化する中で、企業が注意すべき情報漏えいリスク
美味しいレストランでの食事や、街で出会った印象的な光景。
こうした場面をスマートフォンで撮影し、自分のSNSに投稿することは、今では多くの人にとって日常的な行動になっています。
しかし、写真を深く考えずにSNSへ投稿する習慣は、企業にとって情報漏えいやプライバシー侵害につながる大きなリスクにもなり得ます。日本に限らず、世界中の多くの人々が、日常的にスマートフォンで写真を撮影し、それをSNSに投稿している時代だからこそ、企業はこのリスクを正しく認識する必要があります。
会社内で撮影した写真がSNSで拡散される危険性
会社内で撮影された写真には、社員の顔や姿、会議資料、ホワイトボードの内容、パソコン画面、社内レイアウトなど、外部に公開すべきではない情報が写り込む可能性があります。
深く考えずに写真を撮影し、SNSへ投稿する行動が、社員によって日常的に繰り返されると、時に重大な情報漏えいや企業トラブルを招くことになりかねません。
たとえば、仕事中の同僚が写っている風景や、会議内容が書かれたホワイトボードを撮影し、それを深い罪の意識なく、癖のようにSNSに公開してしまう問題が起きています。
一度SNSで公開された写真は、公開した本人の意思とは関係なく、瞬く間に拡散されていきます。発信者が特定され、その写真がどこの企業で撮影されたものかも、短時間で判明してしまう可能性があります。その結果、その会社に勤める社員の容姿や会議の内容が、会社名とともに、知らない間に拡散されることになります。
特に、女性社員の容姿がいわゆる裏サイトに掲載されたり、非公開の会議内容が外部に漏れて炎上したりするような最悪の事態につながれば、会社は大きな損害を被ることになりかねません。
このようなリスクは、単なる個人のSNS利用の問題ではありません。企業の情報管理、社員教育、コンプライアンス、個人情報保護の問題として捉える必要があります。
子どもの写真をSNSに投稿することでも、深刻なトラブルが発生します
写真を撮影し、それを深く考えずにSNSに投稿する習慣は、会社だけでなく、その社員の家族にも深刻な問題を引き起こすことがあります。
かわいい子どもの写真を撮影してSNSに投稿すると、その写真は、投稿した本人の意思とは関係なく、身元の特定や拡散が容易に行われる状態に置かれます。
たとえば、投稿された写真に写り込んだ背景、制服、施設名、位置情報、投稿時間などから、子どもの生活圏や通学先が推測される可能性があります。さらに、第三者の悪意によって、ダークウェブ上の裏サイトなどに公開される可能性もあります。
皆さんがビジネスで利用しているメールアドレスには、非常に多くのスパムメールが届いていると思います。その中には、ウイルスを伴う悪意あるものも含まれており、皆さんはそれを開かずに削除するという、面倒な作業を続けているのではないでしょうか。
皆さんのメールアドレスを保有している企業や個人が、故意または過失によってメールアドレス情報を流出させ、その情報が裏サイトなどで販売された結果、皆さんのもとにスパムメールが届くようになっている可能性があります。
これと同じように、皆さんの子どもの個人情報や写真が不正に利用・販売されているとしたら、それがいかに危険なことなのか、おわかりいただけるのではないでしょうか。
SNSに投稿した写真は、投稿者が削除したとしても、第三者によって保存・転送・再投稿されている可能性があります。つまり、一度公開された写真を完全に回収することは、極めて困難なのです。
企業が行うべきSNS写真投稿リスクへの自衛策
会社内の情報はもちろんのこと、プライベートの写真であっても、安易にSNSに投稿することが危険な時代に入ったということを、会社は社員に啓蒙していく必要があるのではないでしょうか。
具体的には、社内での撮影ルール、SNS投稿に関するガイドライン、個人情報や機密情報の取り扱い、写真に写り込む情報への注意点などを、社員にわかりやすく伝えることが重要です。
多くのフォロワーを擁するインフルエンサーの発信であっても、それが企業のステルスマーケティングによるものかもしれないと疑わなければならない時代です。
SNSは、もはや個人が不用意に、軽い承認欲求だけで使用できるものではなくなっています。企業は、SNSへの写真投稿が情報漏えい、個人情報流出、レピュテーションリスクにつながる可能性を社員に伝え、継続的に注意喚起していくことが大切です。
社員一人ひとりの何気ない写真投稿が、会社や同僚、家族を危険にさらす可能性があります。だからこそ、企業には、SNS利用に関する正しい知識を共有し、社員を守るための教育と仕組みづくりが求められています。
以上、ご参考になれば幸いです。