求人多難時代に、外国人労働者受け入れの新制度は、企業の救世主になるのか?

「客が来ない」から、「ヒトが来ない」で企業が倒産する時代

会社の倒産や廃業は、20世紀には、「客が来ない」「売れない」から発生する現象でした。
地代家賃や人件費をはじめとする固定費を、粗利益で賄えなくなると、企業は、経費節減努力では維持できなくなり、流動資産で流動負債が賄えなくなり、倒産するというのが、20世紀における企業の倒産の典型的な現象でした。

ところが、21世紀になり、企業廃業に、カネという経営資源でなく、人的経営資源の欠乏による事業存続不可能、あるいはサービス提供不可能を理由とする現象があらわれはじめ、特に、今、コロナ禍後に増大を続けています。

お客が来ているにも関わらず、商品生産やサービスに必要なヒトがとれず、やむなく妥協して入れたヒトの質が極めて悪く、商品生産やサービスの量や質を落とし、結果的に、売上が減少して、廃業・倒産に至るという事例です。

日本における少子高齢化と人口減少は、将来の日本のマーケットの需要減少の原因に直結します。しかし、今の企業にとっては、その心配よりも早く、ヒトという経営資源の量が不足し、それに伴ってヒトの質や生産性を問えなくなり、結果的に、存続ができなくなる、という事態のほうが、先に到来するリスクになると、考えられています。

「ヒトは採れない」「いいヒトが全くとれない」ために、企業が廃業する時代が来たといえるでしょう。

技能実習から特定技能へ移行が可能となり、外国人受け入れの新制度の使い勝手は向上したか?

「ヒトが採れない」「いいヒトが全くとれない」

この労働力不足の悲鳴があがるなか、注目されている解決策の一つが、外国人人材の活用です。日本は、欧米先進国の中で、移民を受け入れていない数少ない国の一つです。これまでの日本は、単純労働者の受け入れに、極めて消極的な国でした。

これまで、日本は、新興国の労働者への技術指導を名目に、技能実習制度を実施し続けてきました。技能実習制度は、あくまでも新興国の人材への技能の実習という目的の制度でしたが、その実態は、日本人が行わない労働の受け皿として、外国人をつかう運用がなされており、そのため、日本の技能実習制度は、国際的に、人権侵害であるとの批判にさらされてきました。

今、日本は、人口減少と労働力不足が避けられない状態に至り、ようやく、本格的な外国人労働力の活用に踏み込み、その第一段階の策として、特定技能制度がスタートしました。

しかしながら、日本の外国人労働者制度は、かなり身勝手な政策であると言わざるをえません。

日本人の若者が、既に未来の日本に子供を残すことを躊躇していることで発生している人口減少を、これまで受け入れを拒否していた外国人人材の受け入れでカバーしようとしても、本当に日本という国を、これから選ぶ外国人が、どれだけいるでしょうか?

世界でもマイナー言語である日本語を習得条件としたところで、GDPランクが今後も落ち続けることが確実な日本語の習得に努力を払う外国人が、どれだけいるのでしょうか?

今後は、幹部候補や高度人材で、外国人を使いこなせる企業が生き残る時代へ

もし、日本企業が極端に進む少子高齢化による、国内需要の低減を真剣に考えるならば、外国人人材の幹部候補者や高度人材を本格的に受け入れ、日本語という世界のマイナー言語を標準的に企業内で使用する環境を見直さなければなりません。

大企業の中には、そのような施策にでている企業もあらわれていますが、企業がこのような覚悟をしない限り、日本の人口減と採用難はますます進み、労働生産性は落ち続け、最終的に、国内需要の低減による競争の激化を招くことになるでしょう。

今のうちに、私たちは、そういう覚悟を決めなければならないのかもしれませんね。

以上、ご参考になれば幸いです。

続く

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