企業がセカンドオフィスを持つという発想

オープンオフィスを持つ、ある企業の戦略を考えてみる

フォーワードが大変お世話になっている、あるプライム上場企業に訪問させていただいたとき、そちらのご担当者様からお聴きしたお話を、まずはご紹介します。

そちらの企業様は、都内に立派なオフィスをお持ちになり、従業員の皆さんが、勤務時間内での生産性をあげるため、あえて、時間外ではオフィスを消灯されるとのこと。

残業を認めない労務管理体制をとっておられます。

一方で、従業員の方が自由に使えるセカンドオフィスとして、会社の近くにあるコワーキングスペースを会社が契約し、従業員が自由に使えるようにされておられるそうです。

「それでは、結局、従業員が残業を、そのセカンドオフィスに持ち込むだけになってしまうのでは?」

お話をお聴きした当初は、そう感じました。

しかし、よく考えてみた結果、その企業様は、そんな単純な発想でセカンドオフィスを持たれているわけではないのではないか、ということに気づきました。

逆に、会社がセカンドオフィスを別に借りるという発想は、とても戦略的な発想で、優れているのではないかと思うに至ったのです。

残業ではない、主体的な仕事に関する情報収集やリスキリング活動・会社が認めた副業を、すべて、従業員が個人負担で行うのが正しいのでしょうか?

今、世界では、リスキリングや副業での起業が、従業員の生産性向上の手段として注目されています。

社会が複雑になり、新しい知識やスキルを学び続けなければ、従業員の生産性を向上し続けることはできない時代になりました。

また、すべてのリスクを会社が負ってくれる、給与が保証された「サラリーマン仕事」から、自らリスクを背負い、自らの発想で起業をしてみることが、従業員のマネジメント能力育成にとって、不可欠な時代になったともいえます。

従って、このようなリスキリングや副業での起業のステージを、会社が支援することも、重要な会社の生産性管理の一助になる時代になりつつあります。

ただ、従業員が、会社のフォーマルなオフィスでリスキリングの学習や、副業の起業の仕事をしていたのでは、会社のフォーマルな業務の生産性を落とす可能性があります。

かといって、それを、すべて自宅に持ち帰り、家庭の中で行わせることは、今度は、家庭生活に支障をきたし、リスキリングや起業の失敗にも繋がりかねません。

従業員が自由に使えるセカンドオフィスを、会社が提供するという戦略

そこで、先にあげた会社は、あえて、フォーマルなオフィスと家庭の中間に、従業員が自由に使えるコワーキングオフィスを会社が設定し、そこを、従業員が、自由に使えるようにしたのではないかと私は気付いたのです。

都内のカフェを夕方に覗くと、そこには、パソコンに向かう多くのビジネスパーソンの姿があります。

  • 会社では、会社の業務に集中する
  • 会社が終わったあとは、個人が自分で選択した活動に自由に使えるセカンドオフィスを提供する
  • 家庭では、家庭生活を楽しみ、家族と過ごす時間を確保し、家事の役割を果たす

このような生活の区切りをつけさせて、会社の業務生産性の向上・将来の従業員の成長・従業員の家庭生活と仕事や自己成長との両立、これらの要素のバランスを実現するマネジメントも、とても重要なのではないかと思います。

今は、このような役割を担うセカンドオフィスは、先の企業様の事例では、コワーキングスペースを活用されておられます。

しかし、将来的には、セカンドオフィスを、独立して自社でお持ちになる企業様も出てくるかもしれません。

以上、参考になれば幸いです。

続く

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