自発的ロックダウンによるストレスから社員を護るオフィスの役割

新型コロナ禍における自発的ロックダウンは、人類の本能的な行動

新型コロナ禍で、世界の様々な政府は、都市封鎖(ロックダウン)を実施しました。

一方、日本は、国民の移動の自由を憲法で保障しているため、緊急事態宣言を出すにとどめ、ロックダウンを回避しました。

しかし、その中でも、自分自身が、自発的に他者との関係をロックダウンする「自発的ロックダウン」に入った人が、多数現れました。

この自発的ロックダウンは、ウイルスの危険性を客観的・医学的に理解して、理性的判断で行った行動ではないと、世界の精神科医は指摘しています(例「スマホ脳」が世界でベストセラーになったアンデシュ・ハンセン博士・「認知症パンデミック」を著した複十字病院認知症疾患医療センター長、飯塚友道博士)。

人類は、今から25万年前、ホモ・サピエンスという、我々の種に進化し、その後、約1万年前に農耕生活に入りました。

農耕社会は、密集生活であったため、そこから、20世紀の初頭に至るまで、人類の死因は、その殆どが感染症でした。

農耕生活の中で、人は、集落を形成して密集する生活に入り、動物を家畜化して経済生活を営むようになったわけです。

その動物の持つ病原体が人間に感染し、頻繁に、密集した人の集落を、全滅させました。

20世紀初頭までの、人の死因のトップ3は、肺炎・結核・胃腸炎ですが、そのいずれもが、動物の病原菌が人間に感染し、それが、密集という生活形態の中で、パンデミックを引き起こしていたのです。

この長い年月にわたる人の生命の危機に対する防衛本能として、動物の脳の中に共通して備わる「偏桃体」という、アーモンド程度の大きさの部分からの指令が出され、人は、理性をつかさどる大脳の動きとは別に、その病原体から自分を引き離す本能的行動に移ってしまうことが報告されています。

21世紀に入った今でも、新型コロナという病原菌の存在を感知した人は、その病原体の危険性や対応策を理解する行動にでず、本能的な行動によって、自発的にロックダウンをする行動に移るわけです。

自発的ロックダウンは本能的行動ですので、したがって、新型コロナウイルスのワクチンが普及し、その感染や感染後の症状のリスクが大きく緩和した、アフターコロナにおいても、理性的に解ける行動ではありません。

この自発的ロックダウンの本能的行動が、アフターコロナ禍においても、他者との関係を阻み続ける人の理由と、先にあげた精神科の専門家は指摘しています。

鬱は、仕事や人間関係だけでなく、孤独感によるストレスからも発祥する

しかし、この自発的ロックダウンは、病原体に対する本能的な防御行動でありながらも、それとは全く別に、人に対して、かなり、大きなダメージを与えてしまう行動です。

それが、鬱のリスクの増大です。

感染症のリスクが高まったと偏桃体が本能的に把握して指令を出し、自発的ロックダウンに入り、それがとけずに長期間に及ぶと、その防衛本能の発動、それ自体が、強烈なストレスとなって精神を蝕み、鬱が次第に進行を始めると精神科医は指摘します。

つまり、自発的ロックダウンは、病原体に対する本能的な防衛行動ではありますが、それが、今度は、強烈なストレスとなり、鬱を発症させる原因となってしまうわけです。

鬱症状というのは、外見からではわかりません。

気分が落ち込み、好きなことにも打ち込めず、他人との接触を阻みだします。

今、アフターコロナ禍で、ワクチンが普及し、感染リスクや重病化リスクが軽減したにも関わらず、自発的ロックダウンを解けない人が多く存在します。

例えば、会社が、オフィス勤務に戻ることを指示しても、不必要にこれに反発し、強硬にテレワークの継続を主張する人、更にテレワークだけでできる仕事に転職までする人が、今、増えています。

それが、生産性向上のための効率性重視という理性的判断なのか、あるいは、自発的ロックダウンが続いたことによる鬱による他者との関係の拒絶なのか、会社からは判断しにくい状態にあります。

もし、前者の主張だと軽く考えて、転職を防ぐため、孤立させたテレワークを継続させてしまうと、その人は、自発的ロックダウンという本能的行動を更に長期間継続させ、更に鬱を進行させてしまい、気づいた時には、取り返しがつかないところまで、鬱の進行が行ってしまうというリスクがあると、精神科医は、指摘しています。

農耕生活に入って、1万年の間、人は密集による病原体の感染リスクと闘いながら、それでもコミュニティを形成し、健全な精神状態を維持して、発展してきた種なのです。

その人という種が、一人で孤立し続けて、生産性を上げ続けることは、精神的に不可能なのです。

短期間の政府によるロックダウンと異なり、自発的ロックダウンは、長期的に及び、それが、精神を蝕むリスクを孕む行動であることを、会社は理解すべきでしょう。

対鬱症状の健康経営に、オフィスワークの役割を位置付けてみる

会社が、管理上の不安から、従業員にオフィスワークを強制すると、反発を招き、この反発が群集心理化して、従業員の大量辞職に繋がるケースが、今、増えています。

寧ろ、会社側の事情を押し付けるのではなく、オフィスを従業員の皆さんが継続的に健康な生活を送るための健康経営の基地と把握し、テレワークの効率性と、オフィスにおける健康的な仕事とコミュニケーションを納得させて、仕事に応じた場の創出を行うことが、経営部門や総務部門にとって、重要になってきています。

フォーワードは、オフィスのハードの設計施工とともに、オフィスのソフト面における機能である健康経営に着目し、ハードとしての働きやすいオフィスを作らせていただいた後でも、継続的に、そのオフィスを活用して、健康経営を維持するための様々なご提案を継続して、企業に御提供できる会社です。

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以上、参考になれば幸いです。

続く

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