ビジネスの中で、あなたは「日本語英語」を使っていませんか?

英語は、世界でローカライズされている

今や、英語は、英米を超えて、世界言語になっています。特に、旧大英帝国植民地だった国家では、英語は、公用語になっていますが、その地その地で、英語が独自に発展したために、地域特有の英語が発展している、ということが、非常に多いのが英語の特徴です。

例えば、インドは、旧英国の植民地として発展しまして、その結果、「英語が通じる国」と日本人には思われがちです。しかし、実際、広大なインドでは、数百にも及ぶ言語があり、公用語も、英語ではなく、ヒンディ語です。

そのため、一般の公立学校ではヒンディ語で教育が施されており、富裕層が通う私立の学校だけが、英語で教育を行っています。

その英語も、古いイギリス英語をベースに、インド独特の発音や言い回しや、独特の「インド英語」も多く、アメリカ英語を基本に英語を学んだ日本人には、インド人との英語のコミュニケーションは、非常に苦労すると言われています。

また、シンガポールの英語は、イングリッシュではなく、シングリッシュと呼ばれるほど、独特です。お隣のマレーシアの英語は、マングリッシュと呼ばれています。

旧英国の影響を残す、これらの地域では、独特な英語が発展しました。

英語は、決して、私たちが学校で習っている米語が、世界で話されているわけではありません。

日本人が陥いやすい「日本語英語」

こういうことがありますので、日本人が、英語を話すときに、「日本語英語」を使ってしまったとしても、別に責められるわけではありません。

しかしながら、日本人は、とてもナイーブなので、自分の話す英語が相手に通じないと、ショックを受けて、英語を話せなくなってしまいます。

ですので、出来る限り、日本人は、「日本語英語」を使わないほうがよいのではないかと思います。

「日本語英語」とは、和製の日本語を英語だと勘違いして使ってしまうことです。

「バイキング」は、英語ではない!

筆者が、自身で経験したことを、一点、参考までに書いておきます。

アメリカの東海岸の都市に出張をしたときの経験です。
その時、筆者は、ある日本の大学の先生とご一緒させていただいておりました。

その先生は、勿論、英語の先生ではありませんが、非常に立派な大学の教授の方です。その方と、ホテルの朝食のレストランに行きました。

そのレストランでは、ビッフェスタイルではなく、セットで食事が出てくるスタイルでした。そこで、そちらの先生が、ウエイターに対して、
「ビッフェはやっていないのですか?」
と聞きたかったのだと思います。

“Do you have Viking?”
こう、質問されました。

ウエイターは、
“?????”という表情です。

この先生は、何度も、アクセントをかえて、質問するも、まったく、通じず。
筆者も、その先生が、大学教授でいらっしゃったので、何も言い出せず。
勿論、ビッフェは、食べられませんでした。

このバイキングという言葉は、英語ではありません。完全な日本語なのです。

もともと、日本にビッフェスタイルが入って来たとき、これを日本ではじめて採り入れた店が、バイキングという名前の店だったということで、日本では、ビッフェのことを、バイキングと称するようになったのです。

英語では、Vikingは、海賊のことで、ビッフェという意味はありません。バイキングは、日本国内でしか通用しない、ローカライズされた「日本語英語」です。

海外に旅行や出張に行く際、このような日本語英語を使うと、相手にまったく通じず、自身を失うきっかけになりますので、気を付けなければなりませんね。

以上、参考にしていただければ幸いです。

続く

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