「飛び込み」「テレアポ」などの手法は、「今は昔に」
20世紀の日本の営業系の企業は、新卒を営業マンで採用し、飛び込みやテレアポ営業といった新規顧客開拓営業を一律に遂行させているところが多数ありました。
BtoB営業でも、BtoC営業でも、多くの企業で営業マンは、新規開拓がその仕事の大半をしめていたものでした。
しかし、2020年代の今、多くの企業で、20世紀型の新規開拓営業を社員に行わせる企業が圧倒的に少なくなりました。
PushからPullに移行する、広告経費の増大
その最大の理由は、飛び込みやテレアポといったPush型営業が、機能しなくなり、仮にそれを実施したとしても、人件費との費用対効果の面で、割にあわなくなったことにあります。
オフィスビルやマンションの構造上、及びセキュリティ上の仕組みが、飛び込み営業を行いにくくしており、また、企業の代表電話の受電の仕組みや、スマートフォンの着信拒否の機能が、テレアポを受け付けません。
また、特にテレアポなどの手法に用いる営業名簿などが、個人情報保護の観点から、入手しづらくなったことも原因の一つにあげられます。
一方で、Googleの検索エンジンや、SNS広告の発展で、Pull型の顧客の集客手法が、大きく発展しました。
その結果、企業の新規獲得営業は、Push中心の手法から、成果型の広告費を大きく投入するPull型の手法に、その手法を変えてきたと言えます。
口をあけて、案件を待っている営業マンが増大
一方、Pull型営業への変化は、営業マンの業務に変化を齎しました。
Push型の営業は、飛び込みやテレアポ等、営業マンにとっては非常に大きな負担を与えると同時に、これらの活動は、営業マンの営業力の「足腰」を鍛えていたことは否めません。
Push型の営業から、Pull型の営業に切り替わると、営業マンの意識が、自分で販売資料を獲得しなければならないという気持ちから、会社から販売資料が与えられるという気持ちに変化します。
そのため、営業マンが販売資料を「口をあけて待っている」状態が発生します。
この営業力が大きく後退をしたという状態に、会社が悩むことが多くなりました。
営業マン求人難が深刻化する中、企業は、未来の営業の在り方に悩み続ける
ここに拍車をかけているのが、コロナ禍以降の、求人難です。
日本の会社は、営業によって、人材を鍛えていたという側面がありましたが、困難な状態に直面すると、安易に転職に走る社員が増え、その社員の後ろを埋めることが難しくなりました。
丁寧に人材を育成する時代に入ったと同時に、それは、会社のナレッジとしての営業力低下を齎し、それに悩む会社が、今、増えています。
以上、ご参考になれば幸いです。
続く