高島屋が金融事業への進出を発表
高島屋が金融事業に進出し、百貨店事業、商業開発事業に次ぐ収益事業へと育てていく方針を発表しました。
通販からスタートした楽天も、今や金融事業者として大きな存在感を示しています。小売業から商業開発を経て、金融事業へと発展する成長の方向性には、百貨店事業の成熟化を背景に、そこで培った経営資源を活かしながら、シナジーを創出し、コングロマリット化を進める戦略が見えてきます。
百貨店業態から、シナジーを追求した多角化へ
百貨店は、量販店やネット通販事業者にはない「外商」という特別な事業部門を有しています。外商担当者が個別に把握している顧客層は高所得者層であり、金融業における個人の大口顧客に対して、直接的なアクセスルートを持っている点が大きな強みです。
さらに、高島屋は、個人顧客に向けて築いてきたブランド力を基盤に、介護施設やヘルスケア施設を組み入れた不動産私募ファンドの運用、さらにはデジタル証券化による販売なども視野に入れ、独自の事業展開を進めると発表しています。
まさに、シナジーを追求した多角化戦略といえるでしょう。
百貨店事業は、今や外商が収益の中心へ
中間層を主なターゲットとして発展してきた百貨店業界が苦戦する中、堅調に業績を伸ばしている伊勢丹・三越は、その収益源を外商に置いているといわれています。
この事業モデルは、金融業においても、富裕層や資産家をターゲットとし、独自のブランド力を活かして優位性を築くモデルと親和性が高いと考えられます。
一見すると、百貨店と金融業は異質な事業のように見えます。しかし、勝ち筋となる構造や活用できる経営資源には、共通性があるのではないでしょうか。
お得感の演出や、独自のPB商品開発も
かつて百貨店は、フロアをテナント企業で埋め、強い取引条件を背景に事業を展開する存在として見られていました。しかし現在では、独自の商品開発やPB商品の開発にも取り組む時代を迎えています。
量販店同士の競争に加え、ネットとリアルの競合も激化し、中間層の囲い込みをめぐって厳しい競争が続いています。その中で百貨店は、量販店との差別化を図り、独自の生き残り策を模索する時代に入ったといえるでしょう。
今後、この事業がどのように展開していくのか、注目していきたいところです。