大震災や噴火に、企業が真剣に備える時代へ ~日本は、激甚震災時代に入っています~

地震の専門家たちが警告する、南海トラフ巨大地震と首都圏直下型大地震

20世紀の日本観測史上最大の地震は、関東大震災でした。

しかし、21世紀に至り、2011年3月11日の東日本大震災は、マグニチュード9.0という関東大震災を遥かに超える規模で、世界でも歴代4位に入る巨大な地震でした。

東日本大震災は、マグニチュード7.9であった関東大震災の32倍、マグニチュード7.3であった阪神・淡路大震災の1400倍のエネルギーが、放出された巨大地震でした。

専門家は、この東日本大震災によって、日本列島は、地殻変動の時代、激甚震災時代に入ったと指摘しています。

この地殻変動時代に発生が予測されるのが、南海トラフ巨大地震と、首都圏直下型大地震です。

南海トラフ巨大地震の発生は、2030年から2040年が最も可能性が高く(京都大学元総長 尾池和夫博士研究)、2050年までには、ほぼ確実に発生する(京都大学名誉教授 鎌田浩毅博士研究)と、著名な専門家が軒並み指摘します。

また、首都圏の直下型大地震は、マグニチュード7.0以上で、2050年までに発生する可能性が70%と予測されています。

私たちが、現役の時代の間に、ほぼ確実に、南海トラフ巨大地震と首都圏直下型大地震は起きるとみて間違いないということです。

天気予報で、明日雨が降る確率が70%と表示されていれば、賢明なヒトは誰もが朝、傘を持って出かけます。

南海トラフ巨大地震や、首都圏直下型大地震は、それと同じ程度に備えをしなければならない脅威だといえます。

南海トラフ大地震の威力

南海トラフ巨大地震は、東日本大震災の10倍と想定されています。

震度7の揺れが、西は宮崎県から、東は静岡県までを襲い、特に巨大津波の発生は、あの東日本大震災をはるかに上回る規模で、日本列島を襲うと考えられています。

南海トラフ巨大地震の、最も激甚な災害は、津波です。最も大きな津波は、34mで高知市を呑み込み、高知県は沿岸部がほぼ壊滅してしまうと考えられています。

静岡県では33m、和歌山県では20mに達するとも予測されています。

映像に残る、あの東日本大震災で、東北の沿岸各地を襲った津波は16.7mでした。

南海トラフ巨大地震では、関東地方の千葉県の外房から、九州の宮崎までの広域な太平洋に面した沿岸部に、東日本大震災の津波を遥かに超える巨大津波が押し寄せてきます。

この地域には、東北沿岸部とは比較にならないほどの人口がおり、そのため、おびただしい死者と行方不明者を出し、多くの街が壊滅する、未曽有の規模の被害になると考えられています。

名古屋・大阪・福岡などの西日本の主要都市も、激しい地震に襲われ、大阪・名古屋などの被害は、首都東京より大きくなるといわれています。

東海道新幹線・東名高速道路、そして、今後開通するリニア新幹線が寸断される可能性があり、首都東京と、静岡以西の都市の、物流やヒトの流れに重大な影響を及ぼすでしょう。

迫り来る富士山の巨大噴火

東京においては、南海トラフ巨大地震よりも激甚な災害をもたらすのは、富士山の巨大噴火です。

先にあげた京都大学名誉教授 鎌田浩毅博士は、火山を長年研究され、その結果、「富士山は、確実に噴火する」と予測されておられます。

では、富士山が爆発した場合、首都圏にどのような被害が及ぶでしょうか?

火山灰という「ガラス片」が東京に降り注ぐ

歴史上の富士山の大爆発の記録から考えると、富士山大爆発により、東京にも火山灰が降り注ぎます。

火山灰とは、軽石や岩石が砕かれたものであり、「ガラスの破片」と同じ性質があります。その「ガラスの破片」が東京中に降り注ぐと思ってください。

これを吸い込むと、角が刃物のように尖った灰が、気管や肺を傷つけ、様々な病気を引き起こします。

家屋への被害

火山灰は、水に溶けません。

火山灰が積もったところに、雨が降ってしまうと、セメントや漆喰のように固まり、その重量で、家屋が倒壊する危険があります。

富士山大爆発による、1平方メートルあたりの火山灰の重さは20kgに達すると積算されています。

予測では、仮に東京に50cmの火山灰が降り積もると、東京の木造家屋の半数が倒壊するとされています。

ビジネスへの影響

過去の富士山の噴火の事例から考えると、富士山の爆発で流れ出す溶岩流や泥流は、富士吉田市・御殿場市・富士市・富士宮市に到達し、東名高速道路は寸断される可能性があります。

また、火山灰による東京湾火力発電所のガスタービン破壊がありえます。

これで、電力供給が止まる可能性があります。

また、企業のパソコン・首都圏にあるデータセンターなど、IT社会の根幹にあるインフラが止まり、クラウドのインフラにも大きな混乱があるでしょう。

正常性バイアスが、危機管理を回避してしまう人間

人間には、正常性バイアスと呼ばれる心理傾向があります。

正常性バイアスとは、異常事態が起きる可能性に備えることを回避し、「まさか自分には被害が及ぶはずがない」と考える回避心理を言います。

東日本大震災の映像で、津波が押し寄せている映像の中に、その中を平然と歩く高齢者の姿が映し出されていましたが、それは、「まさか、自分が津波に飲み込まれるはずはない」という正常性バイアスが働いたためです。

動物は、本能的に危険を回避して逃げます。鼠は、災害を本能で察知して、集団で逃げます。ところが、大脳が発達している人間は、逆に、本能が低下し、大脳が正常性バイアスを働かせて、逃げ遅れるのです。

自然界の中で、トップに君臨し続けた人間は、リスクに対して素直に回避する動物本来の本能を失ってしまったのです。自然界の中で、自分だけは襲われないと、たかを括る大脳の働きを身に着けてしまいました。

既に、科学的に、勃発が高い蓋然性で予知されている南海トラフ大震災や、富士山大爆発という自然現象に対しても、「自分だけは大丈夫」と考えてしまうのは、大脳が発達し過ぎて、生物本来の本能的な行動を忘れた人間の欠陥だと言わざるをえません。

企業が取り組める、その時に生き残る危機管理

現在、東京都では、東京都帰宅困難者対策条例により、事業者は従業員が施設にとどまることができる日間の備蓄を求めています。

東京都の事業者の場合、これが最低減の義務になりますので、従業者が3日間、食べられる食糧や、断水に備えた水を社内に備蓄することが、最低条件として求められます。

ただ、この条例は、災害発生時に、徒歩帰宅者の殺到で、人命救助や救急車両が通れなくなる事態を避けるのが目的です。

企業や個人事業者が、激甚災害があっても事業活動を継続し、存続するための措置ではありません。

条例の内容では、足りないのです。

最低1週間以上の食糧・水

南海トラフ巨大地震や富士山大爆発を想定した場合、関東地方以北は、静岡・愛知・大阪から、物流的に寸断されます。

不安心理も手伝って、コンビニやスーパーから食糧が消え、これが補給されない事態が想定されます。

専門家の指摘によれば、これが緊急に復旧するには、最低でも1週間はかかると考える必要があります。

そこで、事業所には、最低で1週間、できれば1か月の食糧・水の備蓄が必要となるでしょう。

トイレの故障が最も深刻

大震災による揺れで、最も深刻なのは、水道の切断によるトイレの故障です。

トイレに水が流れなくなることが、衛生的に最悪の事態を引き起こします。

これに備え、トイレの排泄物を固めてゴミとして捨てられる用品などを、事務所で備えておく必要があるでしょう。

高機能マスク

また、もう一つ重要なのが、火山灰に備えた高機能マスクです。

コロナ禍の初期にも、マスクがスーパーや薬局から消えました。

飛沫感染型のウイルスの場合、不織布マスクで防御できましたが、火山灰は、「ガラス片」であるため、その危険度は、ウイルスの比ではありません。

そのため、約1月以上使用できるだけの高機能マスクの備蓄が必要です。

PCを守り、クラウドが停止した場合の社内情報のバックアップ

火山灰による被害は、人間以上にPCに起きると予測できます。

人間は、高機能マスクをすれば火山灰を吸い込むことを防げますが、PCはマスクをかけられません。

有事の際は、事務所の換気を遮断し、事務所内に火山灰を入れないことが肝要です。

そして、データセンターとの通信が不通になり、クラウドで使用していたすべての機能が停止してしまう事態に備え、最低限の情報を社内サーバーでバックアップすることも必要になります。

株式会社フォーワードは、コロナ禍後、企業の激甚震災に備えるお手伝いに力を注ぎたいと考えております。

それぞれの企業様の実情や、保管スペースにあった激甚災害対策をご提案いたします。

是非、一度、フォーワードの社員にお声がけください。

以上、参考になれば幸いです。

続く

オフィスの移転・リニューアルなら、フォーワードにお任せ。
オフィスナビゲーターとして、適切なオフィス環境を実現します。

フォーワードを詳しく知る

最近の記事

  • 関連記事
  • おすすめ記事
  • 特集記事
PAGE TOP