雑談の効用

会議の前に行う雑談が、メンバーの気持ちを惹きつける

3Mジャパンの宮崎裕子代表取締役は、会議や、オンラインでのミーティングの始まる前に、メンバーと必ず、議題と関係のない雑談をするそうです。

宮崎裕子さんといえば、日本の大企業の代表取締役としては稀な、日米の弁護士資格を保有し、ニューヨーク州で法律家としての実務経験を積んだ、エリート中のエリート。

外資系で大抜擢を受けた方ですから、当然、時間管理には非常に厳しい方だと推察致しますが、そのような方が、まずは、会議メンバーと雑談をして、会議に入るというのは、興味深い話だと思います。

宮崎裕子さんは、3Mには、法務部の役員として入られました。そして、4年間で、日本法人の代表取締役に抜擢をされた方です。

女性でもあり、御自身のご経歴から、部下の社員たちや、商談の相手からどのような目線で見られるかを、よく知り尽くされたうえで、あえて、人間味のある話題を、本題に入る前に提示され、相手の緊張を緩め、親近感を醸成される効果を計算されて行われていることではないかと思います。

世界の名著と評価されるアランの「幸福論」の中で、アランは、次のように語っています。

「不機嫌という奴は、自分に自分の不機嫌を伝えるのだ。だから、ずっと不機嫌が続く。」
(アラン「幸福論」ほほ笑みたまえ より。神谷幹夫訳)

会議の議題が深刻であったり、不愉快な内容であったりすると、私たちは、その緊張感や不快感を、不機嫌な表情に出しがちです。

そうすると、その表情が、更に自分の中で、不機嫌さを醸成してしまうと、哲学者であるアランは言います。そして、これほど、会議の相手(部下であれば、なおさらです)の、警戒心を高め、威圧するものはありません。

このようなことを繰り返せば、部下は、その上司を警戒して、本心を言わなくなり、正しい情報も上がらなくなってしまいます。

自分が不機嫌であればあるほど、私たちは、相手に印象を与える自分の表情に気を使わなければなりません。

会議は機嫌よくはじめ、そして宮崎裕子社長流に、雑談から入ることは、とてもよい智慧かもしれません。

テレワーク時代ほど、重要な、人間関係

「仕事の後の一杯」、という行動がとりづらくなりました。

ワタミの渡辺美樹さんが発言されている通り、おそらくは、居酒屋文化は、元には戻らないでしょう。

そして、今後、数年間にわたり、コロナ禍で、サークル活動も、友達付き合いもすることができずに、大学の授業もネットだけで受けてきた学生が、社会人として、企業に入ってきます。

彼らは、飲食などでの学生時代のアルバイトすらできなかった、気の毒な世代です。

遊びは、外出をせずに、家庭でゲームをする。

男女の出会いも、ネットワーク上で行い、会ったこともない異性を「彼氏・彼女」と言わざるをえないという時代に青春時代を送らざるをえなかった世代が企業に入ってきます。

この若い世代を、テレワーク中心のニューノーマルの中で、社会人として育成をしてゆくことが、今後の企業の管理職には求められて来るでしょう。

彼ら彼女らの、リアルな対人関係の経験の少なさは否めませんが、自らそのような環境を選んだわけではありません。

その彼ら彼女らに、私たち大人が向き合うとき、最も有効な手段は、「雑談」から入る対人関係のトレーニングなのかもしれません。

宮崎裕子社長は、3Mという、「超」グローバル企業の日本法人の社長です。その立場上、コロナ禍以前から、世界の人たちと、テレワークを行ってきた「テレワークの達人」だと思います。

私たちは、その宮崎社長の「雑談」の技術に、多く学ぶところがあるのではないでしょうか。

以上、参考にしていただければ幸いです。

続く

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