健康経営とテレワーク
経営の中の人的資源管理の一つとして、健康経営が注目されております。
一方で、新型コロナ禍においては、皮肉にも、最大の健康経営が、「会社に来ない、テレワークへの移行」となってしまいました。
コロナの終息とともに、会社が取り組む健康経営は、また、様々なリアルオフィスを前提とした提案がなされることと思います。しかし、一方で、テレワークとリアルオフィスワークが共存してゆくことになる今後、オフィスだけが健康経営の舞台ではなくなることも事実でしょう。
自宅が、重要なもう一つの仕事の場になります。
これまで、ハードワークをこなすビジネスパーソンの自宅観は、「寝るだけに帰る」という場所でした。「仕事を家に持ち帰らない」という台詞が、できる男の代名詞だった時代もありました。
それに対して、これからの、自宅と仕事の関係は大きく変わってくるのではないでしょうか?
時代が、テレワークとオフィスワークが共存し続けることになるというなら、単に、自宅で、テレワークができる、というだけでは、長期的な視点に欠けるということになるでしょう。
自宅で集中して仕事をし、自宅で戦略を立案し、更に、時代にとり残されない勉強や読書が必須になることが自宅の機能の一部として求められる時代になるのではないでしょうか。
そのためには、独りで学び、独りで考える時間を自宅で確保できる空間が、必要です。
コロナの家庭内感染を防ぎ、身体の健康を維持する目的だけではなく、心とアタマの健康も維持するために、家族と物理的な距離をとることがポイントになるのです。
自宅に書斎を造る!
このような空間として、想定されるのが、書斎ではないでしょうか。
情報をスマホで、「ググる」だけで、間に合わせるだけのナレッジでは、到底、この不確実な時代の知的生産者であるビジネスパーソンであり続けられないでしょう。
スティーブ・ジョブスが、自分の子供の知的な停滞を防ぐために、断じて、アップルのスマートフォンを、自分の子供に使わせなかったという実話を出すまでもなく、スマートフォンから流れ出てくる情報の洪水は、ヒトを中毒症状に陥らせることが、既に、世界中の多くの科学者によって警告が発せられています。
常に、スマートフォンをいじっていること、そして、家で家族と過ごす時間から、ひと時、自分だけの時間を作る必要性。それによって、知的な退歩を防ぎたい。こう考えているビジネスパーソンは、かなり多いのではないかと思います。
そんな方が、志すのが、「自分の書斎を造る!」という決意ではないでしょうか?
書斎は、部屋がなくても、できる
書斎を造るといいますと、独立した一部屋が必要になると、考えがちですが、都心に住まっているヒトには、なかなかその余裕がありません。
勿論、テレワーク時代を見据えて、地方へ住まいを移し、住まいを広くすることも一案ですが、そう簡単に、地方移住ができるということではありません。
そこで、今の自宅で、ちょっとしたコーナーを探して、それを利用して、書斎スペースを造ってみる、というのが、一番、現実的なのではないでしょうか。
フォーワードでもお取り扱いをしている家具にもホームオフィス向けの小型の机や椅子がございます。これらを、ちょっとした住まいの空きスペースを活用して配置すれば、自分だけの書斎コーナーができあがります。
本好きの方は、小型の書棚を配置するのもよいと思います。
そして、肝心なことは、その広さではなく、運用ルールです。
書斎では、
・家族にも、書斎コーナーにいる時間だけは、話しかけないでもらう
などのルールを作って、独りになる時間を作ることです。
例えば、星野佳路社長の哲学によって、企画が創られている星野リゾートには、
・スマートフォンをチェックインの際に預かり、チェックアウトまで返さない
このような独自のサービスがあります。
都会の自宅にいるのと同じようなテレビ番組や、スマ-トフォンから流れて来る情報・ひっきりなしの着信から自由になり、リゾートライフのなかで、心と身体を休めていただきたいという、サービスです。
このような環境を、書斎空間をつくって、一日のひとときでも、享受することが、心と身体と、そして、アタマの健康の維持には、必要なのではないでしょうか?
以上、参考にしていただければ幸いです。
続く