オフィスのバックミュージックにモーツァルトが最適な理由

オフィスのバックミュージックには、クラシック。その中でも、モーツァルトが最適と言われています

総務の皆さんは、常に職場環境のことをお考えになっておられると思います。職場環境の中で、大切な要素の一つが、音楽ですね。

音楽は、ヒトの効率や気分を左右します。

12月になると、クリスマスソングが街に流れ出し、それでクリスマスの雰囲気が演出されます。12月25日から、一週間が過ぎ、新年を迎えて、お正月になりますと、お琴の音で、お正月の気分になります。

このように、音楽は、とても、ヒトの気分を演出するのに重要な要素になりますから、オフィスのバックミュージックは、オフィス環境にとって、とても重要な要素の一つです。社員の仕事の効率に影響を与えるだけでなく、社員がオフィスでお客様と電話をしている、その先方の方にも、かすかに、オフィスで流れる音楽が、電話を通して聞こえます。

ですから、その音楽によって、その会社のイメージが形成されることもあります。

オフィスに流すバックミュージックを、特定の個人の方の好みで、不適切な音楽にしているような会社は、社員同士の人間関係がギスギスするなどの原因となり、社員の定着率にも影響を与えます。

オフィスで流す音楽は、有線放送などの契約をしますと、様々な曲のチャネルから選ぶことができますが、一般的には、クラシックを流すのが、オフィスでは適切と言われています。

そして、その中でも、モーツァルトの曲を中心にして構成されているチャネルが、オフィスには最適だというのが定評です。

なぜ、モーツァルトは、オフィスのバックミュージックに最適なのでしょうか?

このように言われているので、漠然と、モーツァルトの曲を中心にしたチャネルを選定して、オフィスの指定の音楽にしている企業様も多いと思います。

では、何故、モーツァルトが最適なのでしょうか?

実は、これには、きちんとした理由があるのです。

クラシック音楽は、ヨーロッパのルネサンスが終わったころに流行したバロックから歴史が始まります。

バロックとは、「いびつな真珠」という意味だと、音楽の時間に習った方も多いと思います。

バロックを代表する作曲家には、バッハやハイドン、ベンデルなどがいます。そして、このバロックの後に、音楽史上、忽然と姿を現し、それまでのヨーロッパの音楽の、ほぼすべての領域で作曲を行い、素晴らしい作品を、35歳の若さでこの世を去るまでに、残したのが、ヴォルガング・アマデウス・モーツァルトでした。

モーツァルトは、まさに、超がつく、天才でした。父のレオポルトは、息子の名声をヨーロッパ中に喧伝し、利益をえる目的で、幼少のモーツァルトを、ヨーロッパ各地に旅をさせて、各地で演奏をさせました。

幼いモーツァルトは、ヴァイオリン協奏曲を弾き、チェンバロの鍵盤を布で覆って正確に演奏しました。そして、即興演奏を、あらゆる楽器で弾きました。

このような、サーカスのような興行を、ヨーロッパ各地でやった父親のお陰で、神童モーツァルトは、ヨーロッパ各地の音楽を吸収し、多くの最高級の音楽家の影響を受け、そして、王族たちの前で演奏しました。

実は、ここが、今回の話に重要なことなのです。

バロックをはじめ、モーツァルトまでの作曲家は、誰のために作曲をしたか、と言いますと、それは、王や貴族などのパトロンのためだったわけです。

ちなみに、モーツァルトの後に登場するベートーベンは、「自分のために作曲をしたはじめての音楽家」と言われています。ベートーベンが作曲をしていた時代は、ナポレオンが活躍し、王政が崩壊をした時代でした。そして、勃興してくるブルジョアジーが、新しい音楽の支持者になっていったわけです。

王や貴族は、音楽を、自分の権威や富を周囲の貴族に示すため、活用しました。貴族を招いたパーティで、多くの演奏家を組織した楽団を組み、見事な曲を、見事に演奏をさせることで、自分に権威とチカラ、そして教養を示したわけです。モーツアルトが作曲した曲は、そのためのものでした。

貴族は、ヨーロッパ各地からやってくる、それぞれが、非常に我儘な人たちでした。従って、その人たちに自分のパトロンの威力を示すには、「誰が聞いても、心地よい曲」を作る必要があったのです。バロックやモーツァルトは、このような自分の音楽の役割を自覚し、「誰が聞いても心地よい」曲を生みだしました。感情の発露や、喜怒哀楽を表現する音楽ではなく、「心地よさ」を追求する音楽が、バロックやモーツァルトの一貫した目的です。そして、人類史上、最も誰が聴いても心地よい音楽の最高頂点に君臨するのが、モーツァルトの音楽です。

一方、ベートーベン以降のクラシックは、自分のファンになってくれるブルジョアたちのために作曲されました。ブルジョアが、コンサートに聴きに来てくれる、個人が好きな曲を作ることが、ベートーベン以降の作曲家の目的でした。

従って、好きなヒトが、とことん好きになってくれれば、いいわけです。裏を返せば、嫌いな人に評価をされなくてもよいわけです。従って、ベートーベンやシューベルト、そしてそれに続いて出てくる作曲家たちの曲は、「尖った曲」になっていきます。大衆の中にファンが出来るには、モーツァルトのような「誰が聞いても心地よい曲」では、駄目なのです。

オフィスのバックミュージックには、尖った音楽は禁物で、誰が聞いても心地よいことが条件

さて、オフィスの話に戻りましょう。

オフィスのバックミュージックでは、「好き嫌いがはっきりする曲」は適しません。現代の音楽というのは、まさに、ファンを作り、曲におカネを払ってくれるスポンサーがつく曲ですから、裏を返せば、嫌いなヒトもいる音楽です。

オフィスに、ロックミュージックが適さないのは、ロックは、熱狂的なファンがいる代わりに、極めて強い嫌悪感を抱くヒトいる、極めて尖った音楽だからです。

歌謡曲も同じです。

従って、同じクラシックでも、ベートーベン以降の作曲家の曲は、オフィスのバックミュージックには、適しません。バロックか、モーツァルトまでの、個性がないが、誰が聞いても心地よい曲、こそ、最適なのです。

以上、御社のオフィスの音楽環境をお考えいただく参考にしていただけえれば、光栄です。

続く

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