プロジェクトチームの構築法

組織の形態

企業のヒトという経営資源を活かすためには、組織が必須です。

組織論の大家 バーナードは、組織のヒトを活かす協働体系の要素を、3つあげています。

協働体系の要素
①共通目的
②協働意欲
③コミュニケーション

組織に入るヒトは、それぞれが別の人格ですから、それぞれが、別の価値観や目的を持っています。その価値観や目的を、そのまま会社に持ち込んで、バラバラの想いで動いたのでは、会社は協働体系として機能しません。

そのため、組織では、まず、個々のヒトの目的とは別に、会社の目指す共通の目的をヒトに対して明確に示さなければなりません。勿論、この目的が、ヒトの価値観に反するものだったり、ヒトの目的を阻害するものだったりすれば、そのヒトは、会社から去って行ってしまいます。

例えば、反社会的な目的をヒトに提示したり、取引先企業やお客様の利益を阻害しても達成を目指すような共通目的を提示する悪質な企業の場合、そのようなことに我慢のならない良心的なヒトが組織から去り、給料さえもらえればなんでもするようなヒトばかりが残る会社になります。このような会社は、結局は、そのような質の悪いヒトからも裏切られて、瓦解を起こしてしまいます。

よって、協働体系が提示する共通目的は、社会性や社会的価値が高い目標である必要があり、良質かつ良心的なヒトが、組織の目的を、自分の自己実現や価値観の達成と一致させられるだけのものでなければなりません。

このような共通目的を、組織のヒトが共有し、共にその実現に向けて働く意欲を持つことが協働体系では重要です。

そして、そのために、ヒトがコミュニケーションをとりあい、各位が自分の役割と他者の役割を認識して、自分の責任を全うするカタチが必要です。

こうして出来上がった組織が、バーナードの言う、協働体系です。

組織の原型は、ライン型組織

さて、組織は、歴史的には、軍隊から発展しました。軍隊の組織は、今の経営学でいう、ライン組織です。

現在の会社で、社長→役員→部長→課長→係長・主任→一般社員、という縦型の、指揮命令系統がはっきりしている組織を、ライン組織と言いますが、この原型は、軍隊にありました。

しかし、現在の企業では、このようなライン組織だけでは、柔軟な組織活動を行うことはできません。下が上の指揮命令に従うだけでは、現在の経営環境には、到底適合しないからです。

そこで、ライン組織のよい点を残し、フラットで、柔軟な組織活動を行うための、様々な形態の組織が考案されています。

その代表的な組織形態が、プロジェクトチームです。

各部署の専門の異なるスタッフを集めた、横断的かつフラットな組織

現在の企業では、プロジェクトチームは、新規事業開発や、M&Aによる買収先の経営組織、また、海外進出などのために、構築されることが多いといえましょう。

企業のライン組織では、生産管理・企画・営業・財務など、職能ごとに、縦型の組織が構築されています。ライン組織のよい点は、社員が、組織の中で、専門的なOJTを受けて、その職能に関する能力を集中的に育成させることが可能になる点です。

このような専門的に育成されたメンバーを、各部署から集めると、そこに、横断的な職能を有するチームができあがります。

これが、プロジェクトチームです。

プロジェクトチームでは、チームの組織目的を明確にし、その目的の達成のために、各部署から集まった専門性の異なるメンバーが、フラットな立場で、仕事に参加します。まさに、協働体系を具現するチームです。

プロジェクトチームを構築する際の注意点

プロジェクトチームは、会社内の各部署の専門的な人材を集めて構築します。言い換えれば、ライン組織の各部署から観ると、有能な人材をプロジェクトチームに持っていかれてしまうという側面があります。

そのため、各部署が有能な人材を出したがらず、妥協の産物として、各部署から集まったヒトが、プロジェクトチーム結成に適切な能力や協調性を持っていないなどの結果に陥ることがあります。

また、チームを纏めるリーダーが、プロジェクトチームの趣旨や機能を理解しておらず、ライン型の組織の管理である指揮命令を発揮するなどしてしまうと、プロジェクトチームのよさが発揮できません。プロジェクトチームのリーダーは、メンバーに組織目的を伝え、チームのまとまりを図ることが任務で、その業務の推進は、できる限り、メンバーの能力を信じて、そこに任せることができる人材が適切です。

プロジェクトチームは、ライン組織が基本の組織に、重要なイノベーションを起こすことができる組織形態ですが、上記のような構築の仕方に注意を払う必要があります。

以上、参考にしていただければ幸いです。

続く

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