Z世代には、世界的な消費傾向が確かに存在する
「Z世代とひとくくりに評価をしないでほしい」
これは、日本のZ世代に属する若者が口にする台詞です。
多様性と個性の世代であると自らを位置付けるZ世代は、自分が個性的で、自分らしい生き方を理想としていると主張します。
しかし、世界的に、Z世代には、確実にそれ以前の世代とは違った共通の消費傾向が、顕著にみられると言われています。
多様性と個性の世代と自ら位置付けながら、逆に統計的には、Z世代の消費傾向には、横並び意識が顕著にあらわれます。
Z世代の酒の消費が、世界的にみて、20%低いという傾向
その一例が、酒の消費傾向です。
酒を禁忌する宗教や、禁酒法が適用されていたような社会を除き、世界の歴史の中で、若者は、常に中高齢者よりも、酒の消費量が多いのが特徴でした。
しかし、今、世界的に、Z世代は、それより上の中高齢世代よりも、酒の消費量が少ない傾向にあります。世代別の酒の消費量の統計資料によれば、Z世代の酒の消費量が、世界的にみて、他の世代よりも、20%低いというデーターが出ています。
「呑まない」、「呑めない」、「呑む場が好きではない」
という、Z世代の若者が世界的に多いことが、統計的に顕著にあらわれています。
そして、この傾向が、世界の酒の産業の未来に、大きな変動の可能性を与えているのです。
アメリカのZ世代のライフスタイル 「ソバーキュリアス」
世界最大の消費地であるアメリカでは、この傾向が日本よりも顕著です。
アメリカのZ世代に人気なのは、「ソバーキュリアス」というライフスタイル。
これは、”Sober”(しらふ)と、”Curious”(好奇心)を組みあわせた新語です。飲酒に懐疑的なライフスタイルを示す言葉です。
このような言葉の影響で、米国では、Z世代の酒離れが顕著に進んでいます。
欧州のビーガンも、赤ワインを拒絶する
欧州では、ビーガン(完全菜食主義)やフレキシタリアン(肉類の摂取量を減らす柔軟なベジタリアン主義)が、肉とあわせて飲まれる赤ワインの消費を控える傾向を生んでいるといわれています。
これらの欧米の傾向は、多少の時間的なずれを置いて、日本に伝播するといわれており、日本でも、Z世代の酒離れが現実的なデーター数値にあらわれるのは、時間の問題と指摘する研究者もいます。
Z世代を酒席に誘うときの配慮
いずれにしても、Z世代は、これまでの若者と比較して、酒席を忌避する傾向があると言われています。
会社でお酒を伴う席に、Z世代を誘うときには、本人の意思を確認し、無理がないように誘う必要があります。
誘う側の年長者が、「ノミニケーション」のつもりでも、誘われた側が不快になるような場合、年長者の誘いが逆効果に働く可能性があることを、よく認識して行動したほうがよさそうです。
以上、ご参考になれば幸いです。
続く