日本人でも、タックスヘイブンを使えるのでしょうか?

タックスヘイブンとは?

日本をはじめ、先進国で仕事やビジネスをしていると、年金などの社会保障負担や、税金の膨大さに、辟易する方も多いのではないでしょうか?

現代の民主主義陣営の国家が立脚する資本主義は、近代のそれと異なる、修正資本主義です。

成功した人や企業に独り勝ちをさせると、独占資本が発生し、それによって、国家の付加価値の総計(GDP)が、集中します。そうすると、マーケットに流通する流動性がGDPに比して次第に少なくなる結果、それが、ある時に顕在化して、急速なデフレ、すなわち大恐慌が発生してしまいます。また、格差が強烈に進むと、社会的な不安が増し、暴動や革命に繋がります。このような結果を引き起こさないため、必要になるのが、所得再配分です。この機能を、社会保障費や税金が果たしています。

修正資本主義とは、基本的には自由競争や自由市場を認めつつ、それによって生じる独占や格差を、国家のチカラで、強制的に解消させることを国家の役割に求める考え方です。

その結果、先進国の豊かな社会で仕事やビジネスを進める以上、どこの国でも、大金持ちになることや独り勝ちはできません。一時的に、おカネを莫大に持った個人や企業も、必ず、「年貢の納め時」がきます。

仮に、税金を無視して、お金持ちのふりをしたいがために散財してしまう愚かな人や企業も、税務当局に数年のうちに見つけ出され、追徴という方法で、富は必ず国家によって課税され、再配分される仕組みになっています。

累進課税(お金がある人は、膨大な税金をはらわなければならず、手元にはほんの少ししか残らないという仕組み)を逃れる方法は、残念ながら、先進国には、どこにもありません。

日本の場合、消費税・所得税・法人税を、国・都道府県、市町村と三重で課税し、更に贈与税と相続税という税体系で、不労所得に徹底的に課税されるようにできています。

一次的に莫大なおカネを持ったら、脱税で刑務所に行くことを覚悟して、「酔い越しのカネを持たない!」と放言し、全部を短期間で浪費してしまわない限り、日本のような先進国の中で、お金持ちらしく振舞うことはできないようになっています。

ところが、ここに目をつけるのが、新興国です。

新興国の中で、資源もなく、国民の数も少なく、企業も弱小な国は、先進国で、税金を搾り取られているお金持ちの個人や企業に、甘い誘いをかけます。

「うちの国は、おカネ持ちから税金も社会保障費もとりません。」
「相続税もないので、奥さんや子供、更に、家族に隠している愛人や隠し子にも、おカネをそのまま渡せますよ。」
「不動産を買ってくれたら、この先10年間は、売り抜ける利益には所得税をかけません。」
「企業を作ってくれたら、消費税も、法人税もとりません。」

こういった「甘い制度」を外資系企業や外国人富裕層のために創って、先進国の富を、自国に誘致することで、国を富ませる政策を行います。

具体的には、ある特定の金融市場(オフショア)を、その国の国内市場から隔離し、非居住者のために、優遇税制や様々な優遇措置を、オフショア内だけで稼働させます。

これが経済特区です。

この経済特区を先進国の非居住者側からみた場合、そこに会社を作り、その会社で利益を生みだす仕組みをつくり、その利益をオーナーが受け取れば、先進国で再配分される税や社会保障費から自由になり、実力で、大金持ちになる独占資本を作ることが可能になります。

これを、非居住者のタックスヘイブン(租税回避地)と呼びます。

タックスヘイブンを日本人が活用する注意点

タックスヘイブンは、世界の独裁的な政治体制を持つ新興国にとって、先進国の富裕層や優良企業の富を自国内に引き込む手段として活用されてきました。

一方、先進国にとっては、自国の強い企業や資産家への課税手段の抜け道になるタックスヘイブンは、極めて不都合なものです。

先進国は、連携してタックスヘイブンや経済特区を何とか制圧したいわけですが、すべての国連加盟国は、主権国家として一国一票の主権を持っているため、先進国といえども、簡単には、これを潰すことはできません。

ただ、タックスヘイブンは、富裕層や優良企業だけでなく、犯罪集団やマフィア・テロリストによる犯罪資金の洗浄地として利用されやすいことを捉え、先進国は、マネーロンダリング(資金洗浄)対策として、近年、これを抑止する連携を強めています。

例えば、日本人や日本企業の場合、海外資産の総額が5,000万円を超える場合、税務当局への報告義務が課されます。そして、海外の資産には、タックスヘイブンにあったとしても、日本から課税されます。

そして、日本人や日本企業が日本から資金を海外に出す場合、通常の金融的な手法では、SWIFTコードを抜けることはできず、当局の目をすり抜けた送金をすることは、ほぼ不可能です。ビットコインなどの仮想通貨を使用すれば当局の目をすり抜けることはできますが、国家による管理がなされていない仮想通貨は、値動きが激しすぎて、資産の送金用の安全な手段としては、富裕層や優良企業が使えるような代物ではありません。

一方、一定規模のグループ経営を行っている企業は、タックスヘイブンやオフショア・経済特区に現地法人を設立し、そこで、日本とは全く別に事業を展開し、利益を留保する方法で、タックスヘイブンを利用する手法を使っています。そこで、日本人のオーナー代表者が報酬を受けとったり(但し外資規制で外国人が代表につけない場合もあり、注意が必要です)、配当を受けとり、それを日本を一切経由せずに、金融センターにあるプライベートバンクに蓄財する方法を使い、膨大な資産を蓄えるヒトもいるようです。

以上、参考にしていただければ、幸いです。

続く

最近の記事

  • 関連記事
  • おすすめ記事
PAGE TOP